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ひとり親で子どもと旅行するとき、宿選びでつまずく3つのこと

大人が1人で子どもを連れて泊まる。それだけのことなのに、宿を探しはじめると思っていたより引っかかります。しかもつまずく場所が、ふたり親で行くときとは違うところにあります。

この記事では、実際につまずきやすい3つ——お風呂・予約の人数・食事——について、なぜそうなるのかと、どう回避するかを整理します。最後に、九州で条件に合う宿をどう絞るかまで書きます。

1. お風呂:子どもが7歳になると、一緒に入れなくなる

いちばん大きいのがこれです。しかもある日を境に、急に問題になります。

公衆浴場の混浴できる年齢は、都道府県の条例で決まっています。国の「公衆浴場における衛生等管理要領」が令和2年12月に改正され、それまでの「おおむね10歳以上」から「おおむね7歳以上」に引き下げられました。これを受けて各県が条例を改正しています。

九州の状況は県によって違います(令和7年4月1日時点)。

  • 7歳以上は混浴できない:福岡県、長崎県、大分県、鹿児島県
  • 8歳以上は混浴できない:熊本県、宮崎県
  • 条例に定めがない:佐賀県

つまり小学校に上がるころには、もう性別の違う子と大浴場には入れません。旅館の大浴場は公衆浴場にあたるので、この線引きがそのまま効いてきます。

「脱衣所で待たせる」は現実的ではない

大人が2人いれば、父と息子・母と娘で分かれれば済みます。大人が1人だと、その手が使えません。子どもを脱衣所で待たせておく、という案もよく出ますが、小学校低学年の子を裸で10分以上ひとりにすることになります。上の子に下の子を任せる、という手も、上の子がまだ小さいうちは無理があります。

結局のところ、家族だけで入れる風呂があるかどうかに行き着きます。貸切風呂、家族風呂、客室の風呂。呼び方は宿によって違いますが、性別を気にせず一緒に入れるという一点で同じです。

ただし「貸切風呂あり」の中身は宿ごとに違う

ここも注意が要ります。予約時に確かめたいのは次のあたりです。

  • 追加料金がかかるか(無料開放の宿と、1回いくらの宿があります)
  • 予約制か、空いていれば自由に入れるか
  • 1回何分か(45分・50分が多い)
  • 子どもと一緒に入れるか(年齢の下限を設けている宿があります)
  • 当日でも取れるか、宿泊予約と同時でないと押さえられないか

「貸切風呂あり」とだけ書かれていて、実は予約でいっぱい、ということもあります。チェックイン時ではなく、宿泊を予約する時点で押さえるのが確実です。

2. 予約の人数:宿の料金は「大人2人」で組まれている

2つ目は、検索していると気づくものです。大人1人では、そもそも予約できない宿がかなりあります。

理由は宿側の事情です。和室でも洋室でも、1部屋あたりの料金は「大人2名利用」を基準に組まれていることが多く、1名で利用すると割高になるか、そもそも1名利用のプランが用意されていません。子どもは「子ども料金」という別の枠なので、大人1人+子ども2人でも「大人1名」としてしか数えられません。

これは宿が意地悪をしているわけではなく、2名で使う前提の部屋を1名に売ると採算が合わない、という構造です。ただ、探す側から見れば「空室あり」と出ているのに予約に進めない、という形で現れます。

回避のしかた

  • 人数を入れてから検索する。宿の一覧を見てから人数を入れると、後で弾かれます
  • 1名利用可の記載を探す。ビジネスホテル系は1名利用が前提なので通りやすい
  • 子どもの年齢区分を正しく入れる。「小学生」「幼児(食事・布団あり)」「幼児(添い寝)」で料金も空室も変わります
  • 添い寝にできる年齢を確かめる。未就学児は添い寝無料の宿が多く、その場合は大人1人+子ども1人でも「1名」として通ることがあります

このサイトでは、大人1人+子どもという条件で実際に空室検索をかけて、本当に取れた宿だけを一覧にしています。「泊まれるはず」ではなく「取れた」を確かめているのは、この壁があるからです。

3. 食事:席を立てない

3つ目は地味ですが、当日になって効いてきます。

大人が1人だと、食事の途中で席を立てません。飲み物を取りに行く、こぼしたものを片づけてもらう、下の子をトイレに連れて行く。そのたびに、上の子を大広間に残すことになります。子どもが騒いだときに、片方が外に連れ出すという分担もできません。

だから部屋食、または個室での食事が効きます。料金は上がりますが、大人1人で子ども2人を見ながらの食事では、この差はかなり大きいと考えています。

部屋食が取れない場合は、次善の策として次のような手があります。

  • 夕食の時間をいちばん早い枠にする(周りが埋まる前に食べ終えられる)
  • 食事なしにして、近くで食べるか買って部屋で食べる
  • 朝食だけ付ける(朝は会場が空いていることが多い)

そのほか、大人1人だから効いてくること

荷物と移動

大人が1人だと、荷物を持つ人と子どもの手を引く人を兼ねます。駅から歩ける宿か、送迎があるかで、到着時の負担がかなり変わります。特に小さい子がいると、駅から1kmでも相当こたえます。

チェックインの時間

子どもが疲れて早めに休みたい、という展開はよくあります。最終チェックインの時刻と、早めに入れるかどうかを見ておくと安心です。

和室かベッドか

布団を並べられる和室は、大人1人+子ども2人でも川の字で寝られます。ベッドの部屋だと、ベッド数の制約でそもそも人数が入らないことがあります。ただし和室は食事が大広間の宿も多いので、2つ目の話と合わせて見る必要があります。

予約の前に確かめる順番

条件が多いと、どれから見ればいいのか分からなくなります。大人1人で子どもと泊まるなら、順番があります。後戻りできないものから先に確かめるのが原則です。

① 家族で入れる風呂があるか

これが最初です。現地で「入れない」と分かっても代わりがないからです。大浴場しかない宿を予約してしまうと、その日は子どもと別々に入るか、どちらかが入るのを諦めることになります。貸切風呂の有無、追加料金、予約のしかたまで、この段階で確かめます。

② その人数で予約できるか

次が人数です。宿のページを見て決めてから人数を入れると、最後の最後で「この人数では予約できません」と出ます。先に人数を入れて検索し、出てきた宿から選ぶほうが早い。子どもの年齢区分も、この時点で正確に入れておきます。

③ 食事の場所

部屋食か個室か大広間か。ここは当日の消耗に直結しますが、①②と違って代わりの手があります(時間帯をずらす、食事なしにする)。だから3番目です。

④ 移動と立地

駅からの距離、送迎の有無、駐車場。荷物と子どもを1人で見るので効いてきますが、タクシーという逃げ道があるぶん、優先度は下がります。

逆の順番でやると——つまり立地で絞ってから風呂を見ると——候補が出そろったあとに全部消えることになります。風呂の条件がいちばん厳しいので、そこから始めるのが結局は近道です。

よくある質問

子どもが7歳になる前なら、大浴場でも大丈夫?

条例上は入れます。ただし宿が独自に年齢制限を設けていることがありますし、周囲の目が気になる場面もあります。また、子どもが2人以上いると、1人を洗っている間にもう1人が動き回るので、年齢に関係なく貸切風呂のほうが楽だという面もあります。

男湯・女湯が時間で入れ替わる宿なら?

入れ替え制でも、同じ時間に男女が別なのは変わりません。解決にはなりません。ただし貸切風呂の代わりに「空いていれば家族で使える小さい風呂」を用意している宿があり、これは有効です。呼び方が宿によって違うので、「家族風呂」「貸切風呂」の両方で探すと見つかりやすくなります。

客室に風呂が付いている部屋を取るのは?

確実です。ただし料金が上がりますし、客室の風呂は温泉ではない(沸かし湯)ことがあります。温泉に入ること自体が目的なら、貸切の温泉風呂があるかを確かめてください。

ひとり親向けの割引はある?

宿泊施設が独自に設けている例はありますが、一般的ではありません。それより、自治体や国のキャンペーンのほうが金額は大きくなります。たとえば九州では現在、宿泊料金が割り引かれるキャンペーンが実施されています。条件は県ごとに違うので、行き先が決まったら確かめる価値があります。

九州で探すなら

このサイトでは、貸切風呂・家族風呂があり、かつ大人1人+子どもで実際に空室があった宿を一覧にしています。大人1人で子どもと泊まる——家族風呂のある宿 から、地域ごとに見られます。

並んでいる宿には、貸切風呂の記載、その人数で空きがあった頻度、1室1泊の目安、部屋食かどうか、和室かどうか、駅からの距離を付けています。数字は毎週調べ直しているので、見ている時点のものです。

温泉地に厚い傾向があります。家族風呂を持つ宿が温泉地に多いためで、別府、日田・九重、雲仙・島原、湯布院、指宿、阿蘇あたりに集まります。逆に都市部のホテルは、1名利用はしやすいものの貸切風呂がほとんどありません。「1人で予約しやすい宿」と「家族で風呂に入れる宿」は、別の場所にある——これが、この条件で探したときにいちばん効いてくる事実です。

まとめ

  • お風呂:九州では7歳(熊本・宮崎は8歳)で混浴できなくなる。貸切風呂・家族風呂を最優先に
  • 人数:宿の料金は大人2名が基準。大人1人で取れるかは、実際に検索しないと分からない
  • 食事:大人1人だと席を立てない。部屋食・個室が効く。取れなければ早い時間帯に
  • 移動:荷物と子どもを1人で見るので、駅から近いか送迎があるかが効く

いちばん伝えたいのは、これらが行ってから気づくと手遅れだということです。特にお風呂は、現地で「入れない」と分かっても代わりがありません。予約の前に確かめておけば済む話なので、この記事がその材料になればと思います。

なお、貸切風呂の有無や食事の場所は楽天トラベルの施設情報によるもので、当サイトが現地で確かめたものではありません。条件は変わることがあるので、予約の前に宿へご確認ください。